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メニエール病を治そう
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メニエール病の治療

メニエール病は簡単によくなるものではありません。治療のために通院するのも長くなることを覚悟しておかなければならないでしょう。メニエール病の発作も、頻繁にある人とそうではない人がいます。

しばらく発作がないからといって、勝手に治療を中断してしまうと、メニエール病が慢性化してしまう可能性がありますので、信頼できる医師になんでも相談できるような関係を築き、しっかりと治療に取り組んでいかなければいけません。

 
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薬物療法

薬物療法薬を使った治療は、対処療法と予防が目的になります。めまいや吐き気を抑える薬、血行をよくする薬、ビタミン剤や、リンパ水腫の改善を目的とした利尿剤がたいていの医療機関で処方する薬です。

急性期

急性期の薬物療法について紹介しましょう。メニエール病のめまい発作は時間がたてば自然におさまるものですが、多くは吐き気が激しく、めまいの薬を飲むこともままならないでしょう。ですが、もし飲むことができるのであれば、めまいや吐き気、動悸や冷や汗などの自律神経症状や、同時に起こる不安感を解消するために、抗ヒスタミン剤や安定剤が使われます。

酔い止めのトラベルミンなどはめまいや吐き気に効果があり、市販もされていますのでよく使われる人も多いかもしれませんが、前立腺肥大や緑内障がある人は使うことができません。めまいを抑える薬には左右の前庭機能の差を縮めてくれますので、飲んですぐめまいがおさまるわけではないからと言わず、積極的に用いるべきです。

発作のおさまりも早くなりますし、前庭機能にも有効です。メニエール病と診断される前に激しいめまいと吐き気に襲われ、救急車で医療機関に運ばれた場合には、生理食塩水の点滴に、トラベルミンなどの抗ヒスタミン剤の注射などが行なわれます。初期の段階で、しっかりと治療を行なっていれば、メニエール病は治る病気です。

慢性期

慢性期のメニエール病の治療として、内リンパ水腫を軽くする目的で、利尿剤が使われます。体の余分な水分を体外に出すためです。多くはイソバイドという利尿剤が使われますが、これはとても飲みづらく、水で薄めたりジュースで割るなど工夫が必要です。牛乳で割るのは凝固してしまうので絶対にやめましょう。

ビタミン剤が処方される場合がありますが、これはビタミンB12で聴力の改善に使われています。もちろんめまいを抑える薬も使われますので、もし、体に合わなくて副作用のような症状が出た場合、すぐに医師や薬剤師に相談しなければいけません。

 
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手術

薬を飲んでも発作が起こるようになり、難聴の度合いも進んでいくようであれば、手術による治療が必要になってきます。メニエール病患者の中で、手術を行うのは10%程度で、残り90%は手術をしなくても回復することが多いので、滅多におこなわれることはありません。メニエール病の手術で言えることは、めまいに対する治療であり、難聴や耳鳴りの改善はあまり望めないということです。

手術の方法

メニエール病の手術は2つの方法があり、よく知られているのが内リンパ嚢開放術という方法です。内リンパ水腫を起こしている嚢に穴を開け、中にたまってしまった水分を出す方法です。分かりやすく言うと、水ぶくれ状態になっている中の水を出してしまうということです。

もう一つは、前庭神経術と呼ばれる方法で、聴覚の神経を傷つけることなく、平衡感覚を司っている前庭神経だけを切断する方法です。この方法により、めまいの症状が改善されます。

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その他の治療

その他の治療これまでが代表的な治療法でしたが、その他にも鼓室換気チューブ留置という方法もあります。鼓膜に極小さな穴を開けると、メニエール病のめまいに有効だということは以前から報告されています。最近少しずつではありますが、この方法を行なう医療機関が増えてきたようです。

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